あなたはあなたの関係者ですか?(by 廃墟ドットコム)

あなたはあなたの関係者ですか?(by 廃墟ドットコム)

吹石一恵さんと吉高由里子さんが姉妹役で共演しながら、Amazonプライムなどでは購入することができない作品があります。

「紀子の食卓」という映画です。(監督は園子温:そのしおん)

今となっては幅広い年代から認知されている女優さんが出演しながらも、なぜ、闇に葬られたかのような扱いを受けているのか???

その理由は映画の内容に問題があるからです。試写会を見た観客の何人かがパニック障害になり、「金払って不快なものを見せるな!」と怒った専門家までいたそうです。

さて、この映画のなかに「あなたはあなたの関係者ですか?」という問いがあるのですが、、、わたしもあなたに質問させてください。あなたはあなたの関係者ですか?

紀子の食卓【予告動画】

作品紹介(2006年、紀子の食卓、R15+)

園子温 監督、吹石一恵主演、吉高由里子は妹役で出演。

田舎に住む17歳の平凡な女子高生・島原紀子(演:吹石一恵)は、ある日インターネットのサイト『廃墟ドットコム』と出会う。

数日後進路のことで父と対立した紀子は『廃墟ドットコム』で知り合った「上野駅54」と名乗る女性を頼って東京への家出。

上京した紀子は「上野駅54」ことクミコ(演:つぐみ)に会うと、彼女に誘われて『レンタル家族』という虚構の世界で生きていくことに。

姉を追って家出するユカ(演:吉高由里子)と、娘たちを追う徹三(演:光石研)の運命はいかに。

注:2001年に公開された園子温監督の作品、『自殺サークル』(2001年)のその後の世界が舞台となっていますが『自殺サークル』を鑑賞していない方でも問題なくストーリーを理解できます。

注目ポイント!

この映画を鑑賞したあなたは「あなたは(最低でも)二人いるのでは?」という問いに答えを出そうとモヤモヤするに違いありません。

つまり「演じる自分」と、「演じる自分を客観視する自分」の2人です。よくわかりませんか?もう少し具体的にお話しましょう。

例えば、「配偶者と会話するあなた」、「子どもと話すあなた」、「会社のなかのあなた」、「趣味のコミュニティーでのあなた」、「友人と話すあなた」、は全員違うのではないでしょうか??

紀子の食卓という作品のなかでは、吹石一恵演じる女性がいろいろな人格を演じるうちに「本当の自分」を見失ってしまう姿が描かれます。

本当の自分はどこにいるのだろうか?」と悩んでしまっている方に、是非とも鑑賞していただきたい作品です!!

気ままな解説!

ココから先は、管理人の気ままな解説です。映画についての理解を深める手がかりとして活用してください。

ネタバレ警報

ここから先はネタバレを大きく含みます。映画を視聴した後に閲覧することを強くおススメします!

あなたの可能性

「あなたはあなたの関係者」というメッセージは、ポジティブな意味で受け取ることもできます。

あなた自身、「これがわたしだ!」と認識している自分がいるのかもしれませんが、別の選択肢もあることに気づくことができるでしょう。

そして別の選択肢を採用すれば、あなたには別の世界がひらけるという可能性を感じることができるはずです。

わかりにくいと思うので、1つ例を挙げましょう。

例えば、あなたは知らない女性や男性に声をかけることができますか?

きっと「できない」と思う人が多いと思います。しかしもし、あなたが営業マンだったら??「仕事だからやる」という人が多いでしょう。

そうなんです。そういうことなんです。

あなたは「何に」なりたいのでしょうか?他人から与えれた役割だけを演じる必要はないのです。あなたの人生なのですから、あなたが演じたい役を演じればいいのです。

もちろん会社組織のなかで「社長」を演じることができるのは1人だけです。厳しい現実を目の前にしてあなたはガッカリしているかもしれません。

でも、、、、「役」の種類はこの世の中に山ほどあるんですよ!!??

是非、ご自身を客観視してください。幽体離脱して、生身のじぶんを眺めるイメージをもってください。そしてどんな役を演じさせるか、そのためにどんな行動をさせるか決めればいいのです。

あなたはあなたの関係者として、あなたにどんな役割を与えますか?

あなたの限界

レンタル家族のスタッフとしての紀子(レンタル家族の世界では「ミツコ」)は、役に影響されやすく、のめり込みやすい人物として描かれていました。

その結果、ミツコは「演じる必要のない」領域にまで到達します。つまりどんな役でも演じることができるがその反面中身は空っぽで「じぶんという存在がない」状態になってしまうのです。

あなたはあなたの役割として、いろいろな役を演じることができます。しかし「他人から与えられた役」を演じている限りは、ミツコのように「誰だかわからない人」になってしまうリスクを抱えることになってしまうのです。

作品の終盤ではミツコの妹役の「ヨーコ」が、ミツコと一緒にお風呂に入りながらこんなセリフをいいます。

夕食の後に、お姉ちゃんと一緒にお風呂に入った。久しぶりだった。昔の話をしてみた。かつての紀子とユカだったころの他愛のない話。空しかった。ミツコだか、紀子だかわからない女が愉快そうに笑っている。

もしあなたが「あなただか、あなただかよくわからない人間」になりたくなければ「あなたの役割は自分で決める」という態度が必要です。

紀子のように「田舎を飛び出して東京に行けばなんとかなる」というノリで「自分以外のもの」(=外部環境)に幸せを求め、「自分以外のもの」にうまく順応することがいい人生を送る秘訣だと信じるかぎり、「わたしは結局何がしたいのか?」と悩み続けることになるでしょう。

例えば誰かの期待に沿った結果「こんなはずじゃなかった!」と頭を抱えたり、「じぶんはこんなもの」と自分の可能性を自分で制限するような生き方になってしまうのです。

「あなたはあなたの関係者であることをもっと自覚しろ!」という強いメッセージを生かすを殺すもあなた次第です。

くれぐれも「他のだれかをあなたの関係者」にするという生き方をしないように!

紀子の食卓