貧乏派と金持ち派(中野翠)

お金が原因で精神を病む人もいれば、お金がなくても幸せを感じる人がいます。

お金が原因で精神を病む人と、お金がなくても幸せを感じる人にはどのような違いがあるでしょうか?

そのヒントは、書籍『泣ける話、笑える話』(著:中野翠)にあるコラム『貧乏派と金持ち派』に隠れています。

コラム「貧乏派と金持ち派」では、貧乏なのに不幸を感じるどころか「今自分は幸せだと思う」と自信をもっている子どものエピソードが紹介されています。

このエピソードを読むと、お金が原因で自殺するのは「大人」であり、お金がなくても幸せを感じるのは「子ども」であることがよくわかります。

つまり人間という生き物は、先天的にお金で幸せを感じるようにつくられているわけではなく、子どもから大人になる過程で「お金があれば幸せになれる。逆にお金がなければ不幸になる。」と刷り込まれているのです。

ではどうすれば「お金があれば幸せになれる」という呪縛から抜け出すことができるのでしょうか?

その答えにズバリ答える前に、補助線を2本引きたいと思います。

成功者の定義

投資の世界では有名なアメリカの投資家、ウォーレン・バフェットは、『あなたが考える成功者とは?』と質問されて、以下のように答えています。

あなたが65歳、もしくは70歳になるよりもさらに先のことを考えてみましょう。

あなたが自分のことを心底愛してほしいと思っている人たちが、本当にあなたのことを愛しているとすれば、あなたは成功者といえるでしょう。

極端に貧しくて苦しんでいる人たちを除いて、高齢者になっても愛される人たちが、それ以外の幸せを追い求めているところを見たことがありません。

一方ものすごく裕福で、自分の名前にちなんだ学校を作っても、誰にも愛されない人たちもいます。だから子どもたちも会ってくれないのでしょう(笑)

世界有数のお金持ちが、人生の終盤で語っている成功者の定義が、「お金」と何ら関係がないということを知っておくことは重要です。

なぜならば「お金があれば幸せになれる」と勘違いすると、幸せに直接つながらないことのために生命時間を必要以上に浪費することになるからです。

しかしもしかすると・・・・・「ウォーレン・バフェットはお金持ちだから、そんなことがいえるのだ。」と思う人もいるかもしれません。

確かにウォーレン・バフェットは日本円で4兆円以上を寄付しているにも関わらず、それを上回る資産を所有している世界的に有名な大富豪なので、そう思ってしまうのも致し方ないという側面もあります。

そこでもう一本補助線を引くことにしましょう。

炭鉱夫の物語

『作兵衛さんと日本を掘る』という映画があります。筑豊炭田で炭坑夫として働きながら2,000枚を超える記録画と日記を残した山本作兵衛さんをテーマにした作品です。

映画の特徴は、山本作兵衛さんの描いた絵や書き残した日記に焦点を当てているという点です。

そして肝心のストーリーは、山本作兵衛さんに縁の深い人々を訪ねて歩くという内容なのですが、実際に映画を鑑賞すると不思議な発見があります。

炭鉱の労働環境は、現代のブラック企業も驚くほど劣悪だったはずなのに、作兵衛さんの画に描かれている人々やそれぞれの画にまつわるエピソードを語る人々の表情はなぜかとても明るいのです。

なぜ?過酷なはずのエピソードを、悲壮感なく明るく語れるのでしょうか?

作品を観るかぎり、過酷な労働環境に耐えられた理由は「仲間がいたから」でしょう。ツライ状況に追い込まれても、一緒に戦う仲間がいれば、労働者の心は折れにくいのです。

その一方で仲間がいない場合に労働者が感じる精神的なプレッシャーは、とてつもなく大きなものになります。ちなみに、その様子をみごとに描いた作品に『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』があります。

ブラック企業に勤める主人公が「もう俺は限界かもしれない」と感じた瞬間は、デスマーチ(プロジェクトにおいて過酷な労働状況)の途中ではなく、信頼していた同僚が離脱したタイミングだったのです。

以上、ウォーレン・バフェットと山本作兵衛さんという補助線を2本引きました。

勘のいいあなたであれば、もうお気づきかもしれませんが、「お金があれば幸せになれる」という呪縛から抜け出す秘訣は・・・・

仲間をつくれ!

今回あなたに伝えたかったのは、あなたが貧乏であってもお金持ちであっても、あなたに幸せをもたらすのは「仲間」ということです。

仲間は苦難を分け合える存在であり、幸せを分け合える存在です。あなたには仲間がいるでしょうか?

もしあなたに仲間がいなければ、仲間をつくりに挑戦しましょう。きっとあなたの一生をかけたプロジェクトになるはずです。