直観と倫理をつなぐ思考法(by 佐宗邦威)

あなたには子どもの頃の夢がありましたか?

小学1年生の時、わたしには「駄菓子屋の経営者になる。」という夢がありました。わたしは駄菓子屋の空間が本当に好きだったのです。

しかし小学校を卒業する頃には将来の夢が「サッカー選手」になり、中学校を卒業するころには「億万長者」になり、高校を卒業する頃には「未定」(とりあえず進学する)になり、就職活動中の目標は「経営コンサルタント」でした。そして現在は、まったく別の夢(ゴール)を実現させるために邁進しています。

あなたには「夢」がありますか?

おそらくあなたにもいろいろな事情があるし、毎日は忙しいでしょうし、明るい未来についてじっくりと考える余裕なんてものもないかもしれません。

マジメに社会を生きようとすればするほど、会社、法律などを含めた『社会』に適応せざるを得なくなり、いつしか社会に適応することこそが生きる目的になってしまっているというのが、大多数の日本国民にとっての現実だということも理解しているつまりです。

しかし「これでよかったのか?」、「本当のこのままでいいの?」という感情が頭の片隅にあるからこそ、おそらくあなたはこの記事を読んでいるのだと思います。

そこで今回は、「自分らしく生きるためにはどうすればいいの?」と悩んでいる方に向けて1冊の本を紹介したいと思います。

「自分モード」と「他人モード」

「佐宗邦威」(さそう くにたか)さんという方がいます。

佐宗さんは東京大学法学部を卒業し、P&Gで「ファブリーズ」、「レノア」などの商品を担当して現在では株式会社BIOTOPE代表として活躍されています。

経歴だけみれば順風満帆でしかない人生のようですが、佐宗さんにも20代後半にモノクロの日常に苦しんだ結果、うつ病になり1年間ほど休職したという辛い経験があるそうです。

わたしたちが閉塞感を消すことができない理由は佐宗さん曰く、「他人モードで生きているから」なのだそうです。

社会というプラットフォームで生きる以上は、社会のルールや法には従う必要があるし、会社組織のお世話になっていれば会社の論理が個人の論理よりも優先されるのも「しょうがない」ことなのでしょう。

つまりわたしたちが他人モードから脱却し、「自分モード」を取り戻すことはカンタンなようで難しいことなのです。

実際問題として、人生がつまらないといって悩んでいる人に「好きなことを思いっきりやってみなよ!」とアドバイスしたところで「その好きなことがわからないから困っているんです!」と反論されてしまう可能性が高いでしょう。

ではどうすればわたしたちは「自分モード」を取り戻すことができるのでしょうか?

佐宗さんは「自分モード」を取り戻せない原因を4つ挙げています。

他人モードの原因

「自分モード」を取り戻せない原因
  1. 内発的動機が足りない
  2. インプットの幅が狭い
  3. 独自性が足りない
  4. アプトプットが足りない

#1) 内発的動機

何かに挑戦しようとすると「それって意味あるんですか?」と反応する大人は多いです。

わたしは何かに挑戦し、挑戦するからこそ『経験』が蓄積され、蓄積されたさまざな経験が『内発的動機』を起爆するというのが人が成長する自然な流れだと思っています。

しかし残念ながら日本人の大人は「挑戦して挫折するぐらいなら、予定調和のなかに閉じこもる」という選択肢を安易に選択する人が多いです。

例えば最近のテレビをみてください。挑戦している番組もないわけではありませんが、「昔どこかで視聴したことのあるような番組」が多いと思いませんか?

創りたくて創っているのではなく、「こういう番組つくったら、これくらいの視聴率はとれるだろう。」とやる前から計算できることにしか挑戦できなくなってしまっているのです。

その結果どうなったか???というと、「視聴者離れ」です。

最近テレビにクレームをつける人も珍しくないそうですが、クレーマーよりも怖いのは、「テレビってつまらないから観ない」といった具合に、文句も言わずに去ってしまう視聴者のほうなのに、、、、、崩壊はすでにはじまっているのに、、、、、

予定調和に閉じこもっていると、そのことに薄々気づいていても「臭いものにはフタをする」の精神で、「見たいモノだけみる見たくないモノは見ない」の精神で、無視するようになるのです。

#2) インプットの幅が狭い

伝説の投資家ジムロジャーズは、「異なる視点をもつ」ことの重要性を繰り返し説いています。

なぜ異なる視点をもつことが重要なのかというと、「偏った情報に基づいて偏った判断をした結果失敗するが、本人だけがその理由についてわかっていないという悲惨な状況を避けるため」です。

世界は激動しています。変化のスピードも早いです。しかし日本にいると「何事もなかったような錯覚」から抜け出すことができません。

もちろん日本が平和であることの裏返しでもあるのですが、その平和が「偽り」であることを理解しないと、大切なものが崩壊してからはじめて「やばい現実」に直面することになるでしょう。

#3) 独自性が足りない

残念ながら人は「二番煎じ」のものに高い価値を感じることができません。

二番煎じの商品に対しては、消費者は「安ければどの店で購入しようが関係ない」という発想になってしまいます。

また二番煎じの仕事に対しては、労働者は「給料が高ければどこで働こうが気にしない」という発想になってしまいます。

つまり価値を判断するモノサシが「お金」だけになってしまい、「幸せのためにお金を手に入れる」という常識は忘れ去られ、いつしか「お金のためにお金を稼ぐ」という摩訶不思議な状況が生まれます。

この摩訶不思議な現状に陥ると悲惨です。なぜならばお金はいくらあっても困らないからです。言葉をかければ、どれだけ大金を稼ごうが「満足できない」のです。

満足できないからこそ頑張ってお金を稼ぐのですが、どれだけ頑張っても満足できないので、「お金のために一生頑張り続ける」というロボットのような生活に陥るのです。

#4) アプトプットが足りない

あなたには「わかりきったことのはずなのに、いざ説明しようとすると説明できない。」という経験はありませんか?

自分の思考はどれだけ洗練されているのだろうか?そもそも自分は何をどこまで理解しているのか?、ということは、アウトプットしてはじめて理解することができます。

アウトプットしたものを世に送り出し、世の中の批判に耐えたものが「作品」になるのだと思います。あなたには学びを他人に伝える機会を確保していますか?

自分らしさを取り戻す方法

「自分モード」を取り戻すために、佐宗さんは以下の4つのポイントを挙げています。

「自分モード」を取り戻す思考
  1. 妄想(Drive)
  2. 知覚(Input)
  3. 組替(Jump)
  4. 表現(Output)

佐宗さんはこれら4つのポイントをまとめて「ビジョン思考」と名付けています。

「カイゼン思考」でもなく、「戦略思考」でもなく、「デザイン思考」でもない、「ビジョン思考」という新しい発想は多くの人を勇気づけると思います。

なぜならば「ビジョン思考は鍛えられるから」です。ビジョン思考の鍛え方を体系的に知りたい方は「直観と論理をつなぐ思考法」という佐宗さんの本を読んでみてください。おススメです。