付加価値の『本当の』意味

「安くていいものを」という昭和・平成の価値観から脱却して「高くてもっといいものを」というパラダイムにシフトしないと、、、、、、日本にもあなたにも明るい未来はないでしょう。(低賃金で働きたくないですよね?)

MEMO

「安くていいものを」というスローガンがなぜ?今後通用しなくなるのか?という点については、以下の記事で詳しく説明しています。

選ばなければ仕事はある『選ばなければ仕事はある』で日本は滅亡する

とはいえ、高付加価値を生み出す人材になるためにはどうすればいいのでしょうか?

本記事では付加価値とは何か?高付加価値を生み出すためにはどうすればいいのか?ということを詳しく解説します。

高付加価値・高単価の人材を目指したい方は、是非とも参考にしてください。

「西陣織」の異端児

西陣織の異端児といわれている「小玉紫泉」(こだま しせん)さんという女性をご存知でしょうか?

西陣織イコール「着物」という固定観念をもっている人も多いと思うのですが、小玉紫泉さんの手がけた西陣織は一味違います。

西陣織の技術を用いて、「和装バック」や「懐紙入れ」(かいし:菓子をとりわけたり、杯をふいたりするのに使う。)のみならず、額作品まで手がけていらっしゃいます。

ツバル国 首都フナフチ環礁

小玉紫泉

【出典:小玉紫泉つづれ織り工房

わたしは小玉紫泉さんの作品を観た時に、ただただ圧倒されました。「スゲー・・・」という言葉しか出てきませんでした。

とはいえ、小玉紫泉さんにも苦労した時期はあったそうです。なかなか自分の作品が売れなかったそうなのです。

小玉紫泉さんの転機になったのは、ある日旦那さんからいわれた「自分でも売りたくないものをつくったら?」という一言だったそうです。

小玉紫泉さんの旦那さんの言葉には、あなたが高付加価値人材になれる秘密がつまっているので詳しく説明していきます。

小玉紫泉さんのオンラインショップをチェックしてみるとわかるのですが、小玉紫泉さんのすべての作品が売りに出されているわけではありません。

そうなんです。本当に「非売品」が多いのです。

あなたは不思議に思うかもしれません。「売るために作品を創作したのではないのか?なぜ?非売品なのだろうか?」と。

もしあなたが似たような気持ちになったのであれば、【そもそも価値とはなにか?】というところから学習したほうがいいかもしれません。

2種類の価値

「価値」という言葉は、あまりにも一般的に利用されている言葉なので、そもそも価値とは何か?ということを意識したことのある人はそれほど多くないと思いますが、価値という言葉は2つの使われ方をしています。

価値#1 交換価値

交換価値とは「商品の金銭的な価値」のことです。

「商品」という売買することを前提にしたモノ・サービスがあることが大前提なのですが、商品を売買する時の値段を交換価値といいます。

価値#2 経験価値

「お金でなんでも買えるわけではない」というセリフをドラマや映画や漫画などで耳にしたことがある人は多いと思いますが、実際のところお金で何でも買えるわけではありません。

例えば「愛情」。愛情は商品ではありません。商品ではないからこそ愛情に価値があると考える人も多いのです。

また「家事」なども商品ではありません。例えばあなたに子どもがいて、その子供に「部屋を片付て!」と指導したとします。

もしあなたの子どもが「ねぇねぇ、いくらお金を支払ったら見逃してくれる?」と交渉を持ちかけてきたら、おそらくあなたは残念な気持ちになるだけでなく、子どもを叱るはずです。

市場にない価値

産業革命以降の人類は、「経験価値」を「交換価値」にすることで市場を大きくし、発展を遂げてきました。

例えば「家政婦」が登場し家事が交換価値になりましたし、お使いも「出前サービス」という形で交換価値になりました。

夜の繁華街にいけば疑似恋愛ですら交換価値になっていることがわかるでしょうし、自然ですら間接的に売買されています。(例:二酸化炭素の排出権 等)

「お金ですべてが買える。買えば幸せになれる。」と信じている人が多いからこそ、市場というシステムが成立するわけですが、残念ながら「お金で幸せが買える」というのは幻想なのです。

あなただって、「あなたが一生涯稼ぐであろうお金を差し上げます。そのかわり腕を一本切り落としてください。」と提案されても、「健康はお金じゃ買えないよ!」と反発するはずです。

そうなんです。どれだけ市場が拡大しても、すべての「経験価値」が「交換価値」として市場に組み込まれるわけではないのです。

高付加価値を生み出す秘訣

小玉紫泉さんの話に戻ります。これまでの説明を聞いたあなたなら、小玉紫泉さんの作品に「高付加価値」がつく理由がわかるのではないでしょうか?

小玉紫泉さんの作品が高値にもかかわらず「欲しい!」と思う人が後を絶たないのは、ズバリ「小玉紫泉さんが作品が、それまで交換価値として認識されていなかったから」なのです。

もし小玉紫泉さんが普通の作品を世に送り出していたら、きっと「相場」というものが邪魔をして小玉紫泉さんの作品に高値はつかなかったでしょう。

しかし小玉紫泉さんの作品は、それまであった「相場」に完全に囚われることはないのです。なぜならば小玉紫泉さんの作品は、、、、、

秘訣#1) 新しい

「新しい」からです。見た瞬間に「こんなものは、これまでの人生で出会ったことがない」と直感でわからせてくれます。

わたしたち消費者は二番煎じに高い価値を感じないのです。

秘訣#2) ユニーク

「ユニーク」だからです。唯一無二の作品であるため、なかなかマネできないし、マネをすることに成功したとしても「マネをした。」ことがすぐに他人にバレてしまいます。

わたしたちは自力でできそうなことに高価値を感じないのです。

秘訣#3) よさそうでいいもの

「よさそう」なのです。わたしたちが「欲しい!」という気持ちを刺激される時はいつも決まって「よさそう」だと思う時なのです。

そして「よさそう」であること以上に大事なのは、「よさそう」だと思って商品を購入した後に「本当によかった」と感じることなのです。

わたしたちは「よさそう」だと思って購入し、購入した後に「思っていた以上に良かった」と感じる時、その商品・サービスの虜(ファン)になるのです。

もう一つの選択肢

もしかしたら、、、、「『新しくてユニークで、よさそうでいいもの』を生み出すことなんて非現実だし、わたしにはできそうもないのですが、、、、やっぱりわたしが高付加価値を生み出す人材になるのは高望みのしすぎだったかもしれません。。。」と暗い気持ちになっている人もいるかもしれません。

小玉紫泉さんだって西陣織に出会った時は「専業主婦」からの「パート」です。実は芸大出身というオチもなく最終学歴は高卒なのですから、あなたも10年、20年、30年頑張れるものを探せばいいのではないでしょうか???

とはいえ、新しいモノ・サービスを生み出す起業家・研究者・職人・芸術家・アーティストを目指したくない方のために、「もう一つの選択肢」についても説明しておきましょう。

もう一つの選択肢とは「労働市場をステップアップし続けていく」という方法です。

具体的にいうならば、「あの人は優秀。」だと周囲の人にハッキリと印象付けることで、更にキャリアップする環境を手に入れて、実際に実力を伸ばしていくという方法です。

なぜ?この戦略が通用するかというと、実は「労働市場」における「市場価値」(給料)というものは「経験価値」に紐づいているわけではないからです。

あなたの給料(付加価値)は、あなたの人間性や、あなたの生産で決まるわけではなく、あなたのいる業界・企業・部署・そして上司の評価などで決まるということです。

ですから、上司に気に入られることも、上司にごまをすることも、会社に滅私奉公することも、景気のいい業界に転職することも、、、、すべては、、、、給料(付加価値)を向上させる上では合理的な選択肢になるというわけです。

最後に

あなたには2つの道があります。

1つ目の道は「新しくてユニークで、よさそうでいいもの」を創り出す道。

2つ目の道は「労働市場をステップアップし続ける」道。です。

どちらの選択肢を採用するにせよ、どちらが正解・不正解ということもありませんし、どちらが簡単・難しいということもありません。向き不向きもあると思います。

ちなみに、どの道を選ぶのかすぐに決断する必要すらありません。とはいえ、どちらの道を歩むにせよ「不退転の覚悟」は必要になると思います。

あなたには最後にトルコのことわざを授けます。

長い距離間違った道を歩いても、それに気づいたら正しい道に引き返しなさい。もう手遅れだと思っても正しい道に戻らないと破滅への道になってしまう。