田舎くさい愛国心は捨てろ!(by エドワード・ノートン@ラリー・フリント)

田舎くさい愛国心は捨てろ!(by エドワード・ノートン@ラリー・フリント)

あなたには「止められてもやりたいこと」がありますか?

他人にどれだけ反対されても、刑務所に入ろうとも、狙撃手に狙われるほどに恨まれても、、、、タブーを犯すことをやめなかった一人の男を描いた作品をご紹介します。

ラリー・フリント【予告動画】

作品紹介(1996年、ラリー・フリント、R18+)

ミロシュ・フォアマン監督、ウディ・ハレルソン主演、助演女優はコートニー・ラブ!!

作品の舞台は70代のアメリカ。雑誌に性的な描写をすることがタブー視されていた時代に、過激なポルノ雑誌「ハスラー」を創刊した男、ラリーフリントの物語。

夫婦愛を通じて、「表現の自由」を求める戦いを描いた作品。

注目ポイント!

ポルノ雑誌ハスラー創刊者のラリーフリントの物語だから、どうせエロ雑誌に関する作品なのだろう?」と侮ってはいけません。

ラリーフリントの波乱万丈な人生を通じて、夫婦愛や、表現の自由などについてマジメに学べる作品に仕上がっています。

特に、他人の目を気にして本当に自分のやりたいことができないと悩んでいる大人には必見の作品です!!絶対に観たほうがいいですよ!!

気ままな解説!

ココから先は、管理人の気ままな解説です。映画についての理解を深める手がかりとして活用してください。

ネタバレ警報

ここから先はネタバレを大きく含みます。映画を視聴した後に閲覧することを強くおススメします!

反体制と愛国心

作品は、ラリー・フリントの幼少時代からはじまります。

ラリー・フリントは、幼少時代からアパラチア山脈のふもとで密造酒を販売して生計を立てていました。ようするにラリー・フリントのアメリカとの戦いは子どもの頃から始まっていたのです。

ラリー・フリントが大人になって創刊したハスラーという雑誌は、創刊当初は単なるエロ雑誌でした。しかし単なるエロ雑誌が、少しずつタブーに切り込むようになっていくのです。

雑誌に掲載した記事が原因で、刑務所にぶち込まれても、狙撃手に狙われて男性機能を失っても、ラリー・フリントはタブーに切り込むことをやめませんでした。

一体なにが彼を突き動かしたのでしょうか?

作品を視聴した方ならわかると思いますが、ラリー・フリントにとっての愛国心とは「表現の自由を保障するアメリカ」そのものでした。

ひらたくいえば、「俺はアメリカを愛している。アメリカは自由の国だ。だから俺も自由にやらせてもらう!」という理屈で行動していたのです。

つまりラリー・フリントにとっての愛国心とは、権力と仲良くすることではなく「自由の国アメリカ」の精神を貫徹することだったのです。

多方面からの非難の対象だったラリー・フリントですが、とうとう超大物権力者である宗教指導者ジェリー・ファルエルに喧嘩を売ってしまい、裁判で訴えられることになります。

映画では詳しく描かれていませんが、ジェリー・ファルエルの影響力は絶大でした。アメリカ南部の福音派のキリスト教原理主義者たちを取りまとめる存在だったからです。

カーターが大領領になれたのも、レーガンが大統領になれたのも、ジェリー・ファルエルの支持があったからだといわれています。

なぜ?絶大な権力者であったジェリー・ファルエルにまで、ラリー・フリントは喧嘩を売ったのでしょうか?

ラリーの原動力

作品ではほとんど触れられていませんが、ラリー・フリントがジェリー・ファルエルに喧嘩を売った背景には「エイズの偏見に対する戦い」がありました。

ラリーの奥さんであるアルシア(演:コートニー・ラブ)が、エイズで苦しんでいるとき、ラリーは医者に電話をして「お金に糸目はつめないから、なんとかしてアルシアを治してくれ!」と嘆願します。

しかし当時のアメリカには、エイズ薬が出回っていなかったのです。なぜならば、エイズは病気でなく「天罰」だと考えられていたからです。

そして「エイズ=天罰説」を流布していたのが、ジェリー・ファルエルだというわけです。

作品ではジェリー・ファルエルが「エイズは天罰だ!」と演説する映像のシーンしか流れていないので日本人にはわかりにくいですが、ようするにラリーは「ジェリー・ファルエルがエイズが天罰だなんて主張しなければ、アメリカ国内にエイズの薬が流通し、アリシアが亡くなることもなかったのに!!」と怒っていたというわけです。

本当に怒っていたから、いつも面倒なことがあるとお金を支払って終わりにするラリーが、「最高裁まで戦うぞ!」と決意したというわけです。

最高裁で戦う前に弁護士から「お願いだから、田舎くさい愛国心は捨ててくれ!」と宣告されても、それでも最高裁で戦うことを諦めたりしませんでした。

最後に

あなたには「周囲から止められてもやりたいこと」がありますか?

お金をたくさんもっていたラリーが、価値を置いたものは「お金」ではありませんでした。「夫婦愛」とか、「表現の自由」といったものでした。

ちなみに作品は事実を忠実に再現したわけではありません。作品では「アリシアと結婚する前に3回の離婚歴があること」、「アリシアと結婚する前に5人の子どもに恵まれたこと」は無視されています。

ですからラリーが一途な「夫婦愛」を重要視していたと解釈するのはちょっと微妙かもしれませんが、「表現の自由」を求めて戦ったという点は間違い事実です。

もしあなたに周囲から止められてもやりたいことがないなら、「お金」ではなく、愛、自由、平等、平和などの価値観を行動の糧にするとよいかもしれませんね。